LEARNING ROUTES
読者タイプ別の学習ルート
全部を順番に読む必要はありません。いまの役割に合わせて、読む順序を選んでください。
AI Agent をこれから学ぶ
- 1基礎概念を順に読む
Agent とは何か → Agent ループ → ツール使用 → メモリ…
- 2Workflow 型 vs Agent 型
実務で最初に問われる設計判断
- 3実装ガイドへ進む
ツール定義・プロンプト設計・構造化出力
- 4Agent 評価の基礎
「作ったが品質が分からない」を防ぐ
- 5プロンプトインジェクション
Agent 固有の最重要脅威を知る
CORE CONCEPTS
重要概念
このライブラリの中心となる概念です。すべての用語は 用語集 から該当ドキュメントへ辿れます。
LLM を判断の中枢に置き、ツールを使いながら、目標達成までの手順を実行時に自律的に決めて実行するシステム。
Agent ループAgent LoopLLM が「観測 → 思考 → 行動」のサイクルを繰り返し、完了・失敗・上限のいずれかの停止条件まで自律的に処理を続ける制御構造。
ツール使用Tool Use / Function CallingLLM が外部機能の呼び出し要求を出し、アプリケーションまたはプロバイダーの実行基盤が検証・権限に従って実行し、結果をモデルへ返す仕組み。実行主体と制御点を区別する Agent の中核機構。
Workflow 型ワークフロー処理手順を開発者がコードで固定し、LLM を各ステップの部品(分類・要約・生成など)として使う構成。Agent との対比概念。
コンテキストエンジニアリングContext EngineeringLLM に渡す情報の全体(システムプロンプト・ツール定義・履歴・資料・状態)を、構成要素の選択・配置・ライフサイクルとして設計する営み。原則は コンテキストエンジニアリング、実践パターンは コンテキスト設計の実践パターン
Human-in-the-LoopHITL人間の判断(事前承認・事後レビュー・エスカレーション・監視と中断)を Agent の実行フローに組み込む設計。
LLM-as-a-Judgeコードでは採点できない開放的な出力を、基準を与えた別の LLM に判定させる評価手法。judge 自体の検証(人手ラベルとの一致率測定)を前提とする。
致命的三重奏Lethal Trifecta非公開データへのアクセス・信頼できないコンテンツへの接触・外部への送信能力の 3 つが 1 つの Agent に揃うと、データ持ち出しが構造的に可能になるという設計チェックの枠組み。
ANTI-PATTERNS
つまずく前に — アンチパターンの 3 つの共通根
Agent 開発の失敗の多くは、この 3 つの根から生えています。詳細は アンチパターン集(横断) で自己診断できます。
自律性をタダだと思う
自律性はコスト・レイテンシ・不確実性・攻撃面で支払う「買い物」です。必要最小限に絞る判断が抜けると、企画から運用まで全段階で罠が生まれます。
Workflow 型 vs Agent 型 →従来ソフトウェアの直感を持ち込む
「1 回テストすれば OK」「変更の影響は局所的」「エラーは例外で現れる」という決定的なコードの直感は、非決定的で非局所的な LLM には通用しません。
Agent 評価の基礎 →ALL SECTIONS
セクション一覧
概念から運用・セキュリティまで、全 16 セクション。
概要
ライブラリ全体の地図となるセクションです。「何をどの順で読むべきか」「各章がどう関係するか」を示します。
基礎概念
実装やフレームワークに依存しない、AI Agent の基礎概念を解説するセクションです。ここのドキュメントは他の全セクションから前提知識として参照されます。
設計
「どう作るべきか」の設計判断を扱うセクションです。判断基準・トレードオフ・アンチパターンを中心に構成し、コード片は最小限にとどめます。
実装
「どう書くか」を扱うセクションです。実装パターン・コード例・フレームワークの比較を提供します。概念の説明は 01-concepts へのリンクで済ませ、重複解説しません。
評価
Agent の品質をどう測り、どう継続的に保証するかを扱うセクションです。「作ったが品質が分からない」状態を防ぐことを目的とします。
運用
Agent システムを本番で動かし続けるための実務を扱うセクションです。
セキュリティ
Agent 固有の脅威と対策を扱うセクションです。従来の Web セキュリティとの差分(自然言語による攻撃、ツール実行権限、自律性のリスク)に焦点を当てます。
ケーススタディ
具体事例から学ぶセクションです。成功・失敗事例を構造化して分析し、他セクションの一般論を実例で裏付けます。
コーディングエージェント
Claude Code や GitHub Copilot などの AI コーディングエージェントを、実務で安全かつ効果的に使うためのセクションです。ツール紹介にとどまらず、選定基準・設定・依頼設計・セキュリティ・チーム導入・評価までを体系化します。
ビジネス実務
AI Agent の**案件と組織**を推進するための方法論を扱うセクションです。技術設計の前にある「何をやるか」と、後にある「どう本番に届け、投資を判断するか」に加え、AI を組織に定着させる側の実務(開発プロセス・チーム構造・資産共有・利用ポリシー・変化管理)も体系化します。
LLM 基礎
「LLM 自体がなぜそう振る舞うのか」を、実務の設計・デバッグの判断に効く範囲で扱うセクションです。数式や実装の詳細には踏み込まず、挙動の由来を直感として理解し、各記事の末尾で既存の実務記事へ接続します。
LLM 内部構造
LLM の**モデル内部構造・学習理論・推論機構・解釈可能性**を、数式と原論文への参照を伴う学術的な粒度で扱うセクションです。[10-llm-foundations](../10-llm-foundations/README.md)(実務直感・数式なし)の「なぜ」をもう 1 段掘る下層に位置し、各記事は対応する 10 章記事から「さらに深く」たどれる入口として設計します。
モダリティ応用
テキスト以外のモダリティ(文書・画像・動画・音声)の**理解と生成**を実務に組み込むためのセクションです。ドキュメント AI・画像理解・マルチモーダル RAG から、画像・動画・音声の生成、リアルタイム観測型エージェントまでを、選定軸・類型・限界の知識とともに扱います。
ドメイン応用
代表的な応用ドメイン(リサーチ・データ分析・RPA 代替・アシスタント・検索・執筆翻訳・教育ほか)ごとに、**そのドメイン固有の設計判断**を体系化するセクションです。01〜06・10 章がドメイン非依存の「作り方・運用の仕方」を扱うのに対し、本セクションは「このドメインでは何が効き・何で失敗するか」という横の体系を扱います。
UX・プロダクト
非決定的な AI システムの**体験設計**を扱うセクションです。従来のデザイン原則がそのまま通用しない領域 — 不確実性をどう見せるか・信頼をどう築くか・そもそもチャットでよいのか・プロアクティブ性の均衡点・アクセシビリティ — を、名前の付いたパターンと設計判断として体系化します。
人と AI の協働
AI を作る・運用する・組織に入れる側ではなく、**AI と日常的に協働する個人の認知と技能**を扱うセクションです。人がなぜ AI の出力を検証せずに受け入れてしまうのか、任せ続けると技能に何が起きるのか、AI 時代に個人はどう価値を出すのか、そして人が人に AI リテラシーをどう教えるのか — 仕組みの手前にある「使う人間の側」を体系化します。