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この記事の目的
専用 IDE 型コーディングエージェントコードベースを読み、ファイルを編集し、コマンドを実行して検証するループで開発タスクを遂行する Agent。コード補完と異なり「タスク単位の委任」を受けられる。 Windsurf — 2026 年 6 月に「Devin Desktop」へ改名 — の現在の提供体制・機能・データ取り扱いを理解し、自分のチーム・用途に合うかを判断できるようになります。買収・改名が続いた製品のため、どの時点の情報を根拠にしているかを特に慎重に扱います。
なお本記事は IDE 製品(Devin Desktop / Windsurf Plugins)を扱います。クラウドの自律型エージェント Devin 本体は Devin を参照してください。
対象読者
- Windsurf の既存ユーザーで、買収・改名後の状況を再評価したいエンジニア
- 専用 IDE 型エージェントの候補として旧 Windsurf 系製品を検討しているチーム
前提知識
本文
最終確認日: データ利用・契約条件は 2026-09-10、その他は 2026-08-18 — 本記事の製品仕様・提供形態はこの日付時点の公式情報に基づきます。主な出典は「参考資料」を参照してください。
概要
Windsurf は Codeium を前身とする専用 IDE 型のコーディングエージェントで、エージェント機能「Cascade」でこの分野を牽引した製品の 1 つです。2025〜2026 年に提供体制が大きく動きました。
| 時期 | 出来事(公式発表ベース) |
|---|---|
| 2025-07-11 | 創業者と R&D チームの一部が Google へ移籍(公式ブログで発表) |
| 2025-07-14 | Cognition が Windsurf を買収(IP・製品・商標・事業。公式発表) |
| 2026-04 | 「Windsurf 2.0」— Agent Command Center と「Devin in Windsurf」(エディタからクラウドの Devin へ委任) |
| 2026-06-02 | 「Devin Desktop」へ改名(プラン・料金・拡張・設定は自動引き継ぎ)。中核エージェントも Cascade から「Devin Local」(Rust 製の新ハーネスモデルの外側 — ループ・ツール・フィードバック・環境・制御の総体。同じモデルでも作り込みで性能と信頼性が変わるため、モデルと並ぶ一級の設計対象として扱う。、preview)へ移行開始 |
2026-08 時点の結論: 提供元は Cognition。製品は Devin ファミリーの一員として活発に開発が継続しています(2026-08-13 リリースの v3.7.25 まで確認)。「Windsurf」の名前は、既存 IDE(JetBrains / VS Code / Vim 等)向けの「Windsurf Plugins」に残っています。
提供形態と実行環境
| 面 | 内容 | 実行場所 |
|---|---|---|
| Devin Desktop(旧 Windsurf) | 専用 IDE(VS Code 系と後方互換)。macOS / Windows / Linux | ローカル |
| Devin Local(旧 Cascade の後継) | IDE 内エージェント。Devin CLI と共通ハーネス(2026-08 時点で本体の preview 表記は外れ、Subagents のみ「Preview」。GA の明示宣言は未確認) | ローカル |
| Windsurf Plugins | JetBrains / VS Code / Visual Studio / Vim / Emacs / Xcode 等の既存 IDE 向けプラグイン | ローカル |
| Devin CLI | ローカルの CLI エージェント(macOS / Linux / WSL / Windows) | ローカル |
| クラウド委任 | エディタから Devin(クラウド)へタスクを委任し PR をエディタ内レビュー(全プランに含まれる) | クラウド(Devin) |
2026-09-10 に確認した公式の製品説明は「単なる AI IDE」ではなく、ローカル・クラウドの複数エージェントを 1 画面(Agent Command Center)で管理する管制塔です。ACP(Agent Client Protocol)対応により、他社エージェント(Codex CLI・Claude Agent・Gemini CLI 等)を Devin Desktop 内で実行することもできます(外部エージェント使用時は Devin のプライバシーポリシー適用外・課金も第三者と直接、と公式が明記)。
リポジトリ理解・編集・実行の仕組み
- リポジトリ理解: ローカルインデックスが既定で、Teams / Enterprise 向けにリモートインデックス(GitHub / GitLab / Bitbucket から埋め込みテキストや画像を、意味的な近さが距離に対応する数値ベクトルに変換したもの。RAG・記憶・分類の土台で、「何が近いか」はモデルで変わるため自社データで評価して選ぶ。モデル変更は全チャンクの再インデックスを伴う。を作成しチームで共有。埋め込み作成後にコードは全削除と公式明記)があります。さらに Fast Context(検索特化の専用モデル SWE-grep によるサブエージェント型探索)という独自機構を持ちます。除外は
.windsurfignoreで設定します - ファイル編集: 編集はエディタ内の diff 領域で hunk 単位に承認・却下できます。Cascade の変更はプロンプト単位で巻き戻せます(巻き戻しの取り消しは不可)
- コマンド実行: Cascade の自動実行レベルは 4 段階(Disabled / Allowlist Only / Auto / Turbo)+ 許可・拒否リストです。新しい Devin Local は Deny / Ask / Allow ルール × スコープ(読取 / 書込 / コマンド / HTTP / MCPツールやデータソースを LLM アプリケーションに接続するための標準プロトコル。概要は ツール使用、接続の実務は ツール接続標準(MCP とエコシステム))× 階層(プロジェクト / ユーザー / 組織) の権限モデルに再設計されています
移行期の注意: 2026-08 時点もレガシー Cascade から Devin Local への移行期で、両方の仕様が公式ドキュメントに併存しています。設定を調べる際はどちらのエージェントの仕様かを確認してください。
設定ファイルとカスタマイズ
- ワークスペースルールは
.devin/rules/*.mdが推奨です(レガシー.windsurf/rules/・.windsurfrulesは後方互換)。グローバルルールはglobal_rules.mdです - AGENTS.md に対応しています(ルートは常時適用、サブディレクトリは自動 glob 適用)
- ルール適用モードは 4 種(always_on / model_decision / glob / manual)です
- Memories: Cascade が会話から自動生成するメモがローカルに保存されます。チーム共有にはルールまたは AGENTS.md への転記が公式推奨です。なお Devin Local は 2026-08 時点で Memories のセッション間永続化に未対応で、代わりに Devin CLI と共通の Skills(再利用可能な指示バンドル)を使います
- 改名に伴い設定パスが移行中で、
~/.devin/・~/.windsurf/・旧 Codeium 時代の~/.codeium/windsurf/が混在しています。ドキュメント参照時は要注意です
権限管理とセキュリティ
- Devin Local は OS レベルサンドボックスモデルが生成したコードの実行やコンピュータ操作を、本番システムから隔離された使い捨て環境(ネットワーク・資源制限付き)で行う仕組み。(ファイルシステム分離 + ドメイン単位のネットワークフィルタ)に対応し、エンタープライズ管理者はサンドボックスを組織全体に強制できます
- 管理者制御: コマンド許可 / 拒否リストの組織配布、MCP のホワイトリスト・カスタムレジストリ、ACP レジストリの配布、端末管理ポリシー(拡張の発行者制限・テレメトリ制御を Group Policy / MDM で配布)
- データ学習は現行契約とプランで確認します: 旧個人規約 URL は 2026-06-30 更新の Cognition Platform Terms に転送されます。§3.3.1 は顧客データの学習・改善利用と、有料 tier のオプトアウトを規定しています(Teams の操作権限は管理者のみ)。オプトアウト後はモデルプロバイダーの ZDR が有効になりますが、§3.3.3 は安全・不正検知、規約適合性の審査、法的要請による保持・開示を例外としています。Enterprise は個別契約とセキュリティ文書を併せて確認します。旧規約の「Chat はオプトアウトで利用不可」を現行条件として引き継ぎません。既存契約の重大変更は掲載から 30 日間は旧規約が優先するため、更新日と適用日も分けます
- コンプライアンスは SOC 2 Type II(Cognition のセキュリティページに記載)。SSO(SAML / OIDC)・RBAC は Enterprise 向けに提供されます
外部連携(MCP・CI・API)
- MCP クライアント: stdio / Streamable HTTP / SSE + OAuth。MCP Marketplace、ツール数上限(合計 100)、サーバー単位のツールのオン / オフがあります。Devin Local では MCP ツールは既定で実行前承認です
- ACP(Agent Client Protocol): エディタとエージェント間のオープンプロトコルに対応し、他社エージェントのホストになれます(この分野では特徴的な設計判断です)
- CI 連携・GitHub 自動化はクラウド側の Devin が担当します(Devin)
チーム導入と提供プラン
- 料金ページは Devin ブランドに一体化されており、全プランに Devin Desktop が含まれる構成です(Free / Pro / Max / Teams / Enterprise)。改名時に「プラン・料金は変更なし」と公式 FAQ に明記されています。具体額は公式料金ページ(参考資料)で確認してください
- Teams は集中請求・管理ダッシュボード・リモートインデックス、Enterprise は SSO・集中管理・専用デプロイオプションが加わります
- 旧 Windsurf のクレジット制と Devin 側の ACU(課金単位)の統合が進行中の様子ですが、正確な換算・統合状況は未確認です
代表的なユースケースと向き不向き
公式の位置づけ: Tab 補完・インライン編集(無制限)+ IDE 内エージェント、そして「計画・委任・レビュー・出荷をエディタから出ずに行う」ローカル + クラウドのエージェント管制です。
向き不向き(特性として):
- 向く: Devin(クラウド)と IDE を一体で使いたいチーム(委任 → エディタ内 PR レビューの往復が製品として統合されている)、ACP で複数エージェントを 1 つの IDE に集約したい場合、既存 IDE を変えられない人向けのプラグイン経路があること
- 注意が要る: 買収・改名・エージェント移行(Cascade → Devin Local)が直近で起きており、情報の鮮度リスクがこの章の中で最も高い製品です。ドキュメント・設定パス・課金単位が移行期の混在状態にあるため、導入評価は最新の公式情報で行い、移行途上・Preview 段階の機能(Devin Local の Subagents 等)への依存度を確認してください
実務での注意点
アンチパターン
- 2025 年以前の「Windsurf」情報で評価する — 提供元(Cognition)・製品名(Devin Desktop)・中核エージェント(Devin Local)・契約体系(Devin プランに統合)のすべてが変わりました。→ devin.ai / docs.devin.ai の現行情報のみを根拠にします
- 旧個人規約や「ZDR」の名称だけで保持条件を決める — 現行契約は有料 tier のオプトアウトと安全・法的保持の例外を区別しています。→ 契約版、プラン、管理者設定、例外を業務のデータ要件と照合します
- レガシー Cascade の設定情報を Devin Local に適用する — 権限モデルが別物です(4 段階レベル vs Deny/Ask/Allow × スコープ)。→ どちらのエージェントの仕様かを確認してから設定します
チェックリスト
- 評価に使った情報が改名(2026-06)後の公式ドキュメントか
- 利用プランの学習利用の既定とオプトアウト(Data Controls / ZDR)を確認したか
- リモートインデックス利用時のデータフロー(埋め込み共有・コード削除)を組織ポリシーと突き合わせたか
- Devin Local への依存箇所と、レガシー Cascade の提供終了影響を確認したか
- ACP で外部エージェントを使う場合、プライバシーポリシー適用外になることをチームが理解しているか
関連トピック
-
Devin — 同じ Cognition のクラウド自律型エージェント(委任先)
-
主要コーディングエージェント比較 — 他ツールとの横断比較
-
Cursor — 同じ専用 IDE 型の対抗製品
-
コーディングエージェントの権限とセキュリティ — サンドボックス・権限設計の一般論
-
コーディングエージェントの選定基準と使い分け (任意の発展資料。本文を読む前の必須知識ではありません)
参考資料
- Devin Desktop(旧 Windsurf)公式ページ — 現在の製品ポジション(アクセス日: 2026-07-05)
- Windsurf is now Devin Desktop(改名告知) — 改名と Devin Local の発表(アクセス日: 2026-07-05)
- Cognition の買収発表 — 2025-07-14 の一次情報発信源そのものの情報(論文の原典・公式ドキュメント・公式ブログ・規格本文・法令)。解説・まとめ(二次情報)と区別し、根拠は一次情報に置くのが情報リテラシーの基本。二次情報は「存在を知る」までに使い、一次まで遡って確かめる。(アクセス日: 2026-07-05)
- Devin Desktop ドキュメント — 機能・権限・管理の一次情報(アクセス日: 2026-08-18)
- Cognition Platform Terms — 2026-06-30 更新版の §3.3 と変更適用条件(アクセス日: 2026-09-10)
- Devin Security — Enterprise とセルフサーブのデータ管理(アクセス日: 2026-09-10)
- 料金ページ — Devin ファミリー統合後のプラン(アクセス日: 2026-07-05。2026-08-18 は 429 で機械取得できず。改名 FAQ の「料金は変更なし」の記載は継続)
TODO・未確認事項
- ローカルインデックスの保存場所、監査ログの提供状況、秘密情報の自動マスク、Google とのライセンス契約の一次情報は公式情報で確認できていません(未確認)